15時間で学べるAI学習決定版。グーグルが提供する無料の機械学習集中講座が大幅刷新され、LLMもカバー
Googleが提供する無料の機械学習の集中講座はご存知でしょうか?
機械学習に関する幅広いテーマを座学・動画・実験・コーディングといった様々なアプローチで15時間で学べます。しかも無料です。
このコンテンツはもともとは2018年に公開されたものであり、多くのエンジニアに活用されました。
とはいえ、2017年のTransformerの論文、大規模言語モデルの発展、2022年のChatGPTリリースなど、AIは急速に発展し、より広い職種に身近なものになっています。
この流れを受けて、入門講座は2024年8月に大幅に刷新されました。
※冒頭で登場するResearch DirectorのPeter NorvigはAIの世界的な教科書"Artificial Intelligence: A Modern Approach"の著者でもあります。
入門講座の特徴
- 線形回帰、ロジスティック回帰のような古典的な理論から、ニューラルネットワーク、埋め込み、LLMなど現代的なモデルまでカバー
- 数値・カテゴリーデータの違いのような基本から、正則化、損失曲線といった発展的トピックまでカバー
- 数式を提示するだけでなく、データの可視化、さらにはインタラクティブにパラメーターを変更した実験も可能
- ブラウザ上でコードを実行できるGoogle Colaboratory(Colab)を使ったコーディング課題も含まれる(新コンテンツはKerasベース。旧コンテンツはTensorFlowベースで副題は "with TensorFlow APIs")
- 実務家向けに、モデルの評価、バイアスさらには、モデルの開発・運用ワークフローを自動化するAutoMLまでカバー
中でも、LLMのような最近の話題が取り入れられ、インタラクティブにデータと遊べるようになったのが、大きなアップデートです。
インタラクティブな実験
Google Colabを使ったコード演習
わかりやすいイラスト
3次元ベクトル空間への埋め込みを解説するイラスト
集中講座の学び方
集中講座(Machine Learning Crash Course)を中心とした学び方を何通りか紹介します。
機械学習を網羅的に学びたい人は、冒頭から学びましょう。プログラミング課題をスキップすれば、想定時間(15時間)の2/3程度の時間で学べます。
幅広いテーマを扱う本講座を難しいと思った人は、「集中講座("Crash Course")」ではなく、コンパクトな「機械学習超入門("Introduction to ML")」にトライしましょう。
機械学習を少しかじったことがある人は、つまみ食いも可能です。章・節の独立度が高く、テーマごとの前提知識も明示されています。
近年は生成AIを使った検証プロジェクト(PoC)も盛んです。そのようなプロジェクトに関わっている方は、本集中講座の「実社会のML(Real World ML)」章とともに、90分で学べる「ML プロジェクトの管理("Managing ML projects")」にも目を通しましょう。「MLプロジェクトの管理」コースも2024年8月からの新規コンテンツです。
機械学習の経験者は、集中講座ではなく、「上級講座(Advanced Courses)」が向いているでしょう。デシジョン・フォレストや推薦システムなど、テーマごとにコースが存在します。
注意点
本コンテンツは英語で作成されており、日本語を含めた多言語へはGoogle Cloud Translation APIを使って機械翻訳されています。意味が通らないときは、英語の原文をご確認ください。
また、画像や動画も英語で提供され、コンテンツの性質上、他原語へは翻訳されません。
最後に
グーグルが提供する15時間で学べる機械学習集中講座("Intro to Machine Learning Crash Course")を紹介しました。
有料コンテンツを含めても、これほど網羅的で、最新の機械学習・AIをわかりやすく学べるコンテンツはなかなか見当たらないでしょう。
コンテンツが古くなる前に、さっさと学んでしまいましょう。